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はじめに
      某大学の医学部長宅に招待され、教授の手作りのバラ寿司に感激しました。また産婦人科教室では,忘年会や新入局員の歓迎会には教授の手作りのローストビーフが恒例になっているそうです。
 ならばと私は、4月の寮の新入生歓迎会に、魚の活き造りと寿司飯を作り差し入れています。活き造りの残りは各人が手巻き寿司にします。大変人気があり恒例になっています。
 人間には色々な欲があります。生まれて最初の欲は食欲であり,最後まで残るのも食欲のようですね。お婆さんが死亡すると、お爺さんは長くは生きられないようですね。しかしお爺さんが死ぬと、お婆さんは『後家楽』と言われるように余生を楽しんでいる人が多いですね。何故でしょうか?
     私の住む市に大島半島があります。この地域は長寿が多いのに驚きます。魚を取り、料理をし、太陽に当たり、動く。これらが長寿に関係するようですね。また、料理を作っている老人は男女を問わず痴呆にならないようです。介護保険によるヘルパーを導入すると、急速に痴呆が進行するように思います。料理を作ることが、頭の訓練になるのでしょうか?
 是非、男の料理を始めませんか?楽しいですよ。(我が女房は他の事では『黙っておれ』と言うと怒りますが、『今日俺が料理をするから黙っておれ』には、何も言いません。)
   男の料理とは
一.気が向いた時にしか作らない。二.金に糸目をつけない。三.時間を気にしない。四.華やかで美味しい料理である。
 気が向いた日曜日に、料理を始めませんか?

アンチエージング−動脈硬化予防をする方法は
1.過食をやめる。摂取カロリーを標準体重(身長m)×25〜30Kcal以下にする。
2.バランス良く、栄養を取る。糖質60%、蛋白質15〜20%、脂肪20〜25%に近づける。
3.甘いものを控える。砂糖、生クリーム、バターを多く含むお菓子とジュースそして、コヒーや紅茶の砂糖やミルクなどを控える。
4.魚介類と植物性蛋白を増やす。魚介類や大豆蛋白を中心に取り、肉の脂身や内蔵類は少なめにする。
5.油脂は固形の油を減らし、液状の油に。EPAやDHAをを含む魚油がお勧め。しそ油、大豆油、オリーブ油などを中心に
6.アルコールを減らし、喫煙をやめる。日本酒なら1合、ビールなら1本、ウイスキーなら1杯くらいで、週に2日は酒を飲まない。
7.食物繊維や抗酸化物質を取る。穀類、野菜、海藻、果物などを十分取る。
 上記のような食べ物の取り方で中性脂肪は低下し、動脈硬化疾患による死亡が低下することが解っています。
また適当な運動を続けることで、中性脂肪を低下し、HDLコレステロールが増加することも解っています。
1.心拍数が138−年齢÷2/分になるくらいの速さで運動する。
2.1日30〜60分の運動を週に3回以上行う。
3.日常生活の仲で、運動を取入る。例えば、エレベーターを使わず階段を利用する、近くは車を使わず歩く、横になったり座ったりせずに立つとかする。

青魚はコレステロール値を低下させる。
  脂肪には、肉に多い飽和脂肪酸と、魚に多い不飽和脂肪酸があります。飽和脂肪酸はコレステロールを増やし、不飽和脂肪酸はコレステロール値を下げます。肉を控えめにして、n-3系不飽和脂肪酸の多い魚も十分食べましょう。鯖、鯵、秋刀魚、イワシなどの青魚はコレステロールを下げます。 また食物繊維は胆汁酸とくっついて排泄されるために、胆汁酸のもとになるコレステロールを減らします。毎食2品は食物繊維の多い、野菜やきのこ、海草を食べましょう。
 また老化と共に生ずる骨粗鬆症には、魚や海草に含まれるカルシュームが進行を防止したり、軽減します。

 魚の摂取は心筋梗塞後の生存率を高める。  Lancet 2 757-761.1989
対象
 心筋梗塞後の男性患者2033人
方法
 無作為に割り付け、食事指導介入2年間
 1.魚食指導群(週2回魚食)

 2.非指導群

 全死亡の相対リスクは魚食により29%減少した。
 魚食の増加にともない冠動脈疾患死が減少     N Engl J Med 336 1046-1053 1997 
対象
 40〜50才男性、冠動脈疾患なし 1822例
方法
 食事歴から魚消費量で対象を層別化し、30年観察した。
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